- モーター焼損保護方式について protection
- ファン設置方法について how to Install
- 防水能力を表す保護等級の分類について Waterproof ability
- ファンの選定 selection guide
- 静圧-風量特性について Airflow characteristics
- ファン風速分布特性 wind speed distribution
- 漏洩磁束の問題と対策方法 Leakage magnetic flux
- 騒音原因について cause noise
- 衝撃強度 shock
- 騒音 noise
- 並列運転、直列運転について parallel serial drive
- 相互干渉による起動・回転のトラブル防止 trouble
- オプションによる静圧・風量特性変化 Characteristic change air volume
- ファンセンサー fan sensor
- ファンモーターの寿命 life
- 用語解説 Glossary
- 安全保障輸出管理制度 export control
1.防湿仕様
防湿仕様の用途としましては、日本国内で使用されるショーケース及び冷凍庫向けとして開発したものです。
防湿レベルは、開放形モーターのためIPX1~X2相当です。
2.防水能力
防水能力を表現するのに「IPコード」が使用されますが、元々はエンクロージャーボックスの防水能力を試験するための規格で、回転機器には適用されませんでした。
IPコードがEN/IEC規格で定義されている関係上、産業機器メーカーが欧州をマーケティングする上でCEマーキングを義務付けられたことにより、装置内部の各部品レベルにもEN/IEC規格が要求され、その規格内にIPレベルで表現されている関係上ファンにも要求されるようになった起源があります。
右記にIPコードの読み方を示します。
又、次表にIPコード定義内容を示します。
一般的な装置を対象に「必要とされる風量特性」の求め方を説明します。
- 装置内部許容温度、設計値明確化、装置内部温度の設計値を何℃以下にするか明確にします。
- 装置内部の発熱量計算
装置内各部品の入力電圧及び消費電流などにより、発生する熱量を求めます。 - 必要風量の計算
計算式で必要とされる風量を計算します。 - システムインピーダンス(管路抵抗)の考慮
装置内のシステムインピーダンスは、その装置が構成されている各部品による密集率、管路形状から決定される装置固有のものですが、空気の流れが妨げられると損失となり、この圧力損失のことをシステムインピーダンスと呼びます。
システムインピーダンスは計算式で求めることができますが、その装置固有の定数を知る必要があり内部の管路容積を寸法から追って計算しても求めることは難しいため、一般的には最大風量が必要風量の1.3倍~2倍のファンを選択します。
装置内部の密集率で圧力損失が変わってきますので、目安として必要風量は管路抵抗が小の場合:1.3倍、中の場合:1.5倍、大の場合:2倍するとほぼ要求する風量となります。 - システムインピーダンス計算式
P=KQn
P:低下圧力(Pa)
K:装置固有の定数
n:空気の流れにより定まる定数
n=1層流時
n=2乱流時*通常n=2 - ファンの選択
計算した必要風量Qと取り付けようとする
ファンサイズからファンを選定する。
図1の曲線は、軸流ファンの風速分布を表したものです。
図1からもわかるように吸込側と吐出側の風速は相違します。
特徴としては下記の通りです。
図1からもわかるように吸込側と吐出側の風速は相違します。
特徴としては下記の通りです。
- 吸込口側の風速分布域は、微弱で短距離地点から広角上に吸込もうとします。
- 吐出口側の風速分布域は、到達距離が長く、ほぼ直線上に強い風速を発生します。
- 風速は羽根外周部が最も高く、その直線上に高風速域帯が発生し、羽根面全体で送り出すことにより周囲に拡散していきます。
- 騒音の測定
弊社の騒音値(A特性)はファンの吸込口中心線上より1.5mの位置(DCブラシレスファンを除く)で測定した値です。(図1による)又カタログ掲載の騒音値は、無響室の中で測定してます。この測定方法は、旧JISB8330の「送風機の試験及び検査方法」に準拠していましたが、現在、騒音に関してはJISB8346の「送風機・圧縮機の騒音レベル測定方法」に移行され、ファン吸込口中心線上1.5mから1.0mの位置での測定に変更されています。弊社が1.5mでの測定を採用しているのは従来発行してきました仕様書との互換の問題で変更していませんが、いずれは変更する予定です。又、ファンメーカー間における騒音測定方法は、統一されていないのが現状で、カタログ上での単純比較はできませんので、測定方法をご確認の上比較されるようお願い致します。- 距離と騒音値の関係
- 騒音は音源中心から球面状に伝播し、その距離のほぼ2乗に反比例して減衰していく性質をもっていることより次式の換算式が成り立ち、基準となる騒音値が明確であれば相違する距離での騒音値を計算で求めることができます。
dB=dB0+10・log10(10/1)2
dB:距離1時の騒音換算値(dB)
dB0:距離10時の基準騒音値(dB)
10:基準距離
1:換算したい距離
上記換算式における10と1との関係上、換算する距離が一定なら騒音増加率も一定となることがわかります。例えば1.5m時の騒音値を1.0m時の騒音値に換算するには、3.5(dB)の増加となります。上記式で求めた値は、目安レベルのものなので正確に測定した値とは異なる場合があります。 - 合成騒音
- ファンを2台以上運転する場合の騒音値は、次式で求めることができます。
dB=10・log10(10dB1/10+10dB2/10+10dB3/10...)
dB:求める合成騒音値(dB)
dB1:ファン1の騒音値(dB)
dB2:ファン2の騒音値(dB)
例えば2台の合成騒音で2台共同一の騒音43(dB)のファンとした場合
dB=10・log10(1043/10×2)=dB1+3=46(dB)
となり、ファン1台の時より3(dB)の増加となります。
又、騒音値の異なるファン同士の場合には
例えば1台目が43(dB)、2台目が56(dB)とした場合
dB=10・log10(1043/10+1056/10)=56.2(dB)
となり、同一ファンの場合とは違い0.2(dB)の増加しかありません。
この事は、騒音値の異なるファン同士の場合、騒音レベルが大きいファンの影響が殆どであることを意味します。同様に装置設計する際は、装置内で最も騒音値の大きい部品の騒音値を押さえる必要があります。
ファンの寿命を大別すると、電気的な部分の寿命と機械的部分の寿命があります。
ファンモーター構造は、巻線部、回転部及び軸受部フレームから構成され、設計不良の発生しにくいシンプルな構造です。
電気的な部分は使用範囲内でご使用される場合、まず問題が発生する事はなく、ほとんどの場合は機械的部分の軸受寿命が起因する要素となります。
軸受寿命はファンモーターの設置・運転される環境に大きく左右され重要なファクターの一つですが、運転される前の取り扱いや保管状態も寿命を期待する上では重要なファクターになります。
ファンモーター構造は、巻線部、回転部及び軸受部フレームから構成され、設計不良の発生しにくいシンプルな構造です。
電気的な部分は使用範囲内でご使用される場合、まず問題が発生する事はなく、ほとんどの場合は機械的部分の軸受寿命が起因する要素となります。
軸受寿命はファンモーターの設置・運転される環境に大きく左右され重要なファクターの一つですが、運転される前の取り扱いや保管状態も寿命を期待する上では重要なファクターになります。